2007-01-01から1年間の記事一覧

ベクトルとは? その6 「ベクトルの大きさの表現パターン」

ベクトルの大きさについて話をしようと思っていろいろと考えたんだけど、基本的に、作中内ベクトルが定点観測できる例ってほとんどない……。 概念として存在するんだけれど、物語が物語である以上(物を語るのが優先であるため、虚構部分の整合性は軽視される…

今週のSchool Rumble(#243)

ほうほう……。 こんなところでいきなりこんなに濃いのが来るとは(笑) (前回の予想はおおはずれだ……(笑)) とりあえず、スクラン全巻が友人から返ってきたのでやろうと思えば徹底分析もできるんだろうけれど、他にやらなければならないことがいっぱいある…

ベクトルとは? その5

では、「ベクトル」には「大きさ」(強さ)という指標を持つのだろうか?(ベクトルには、大きさと向きを有する量、という意味もある。今までは、向きを話題にしてきたので、今度は大きさの方) 先に答えを書いてしまえば、「統一的な指標は存在しないが、作…

ベクトルとは? その4

物語の構造を考えるとき、ベクトルには、正方向のベクトルと、逆方向のベクトルがあることに気づく。(実際には、そんな単純なものではないのだけれど、話をわかりやすくするために、流れを後押しするベクトル=正方向、流れを邪魔するベクトル=逆方向とし…

「ベクトル」とは? その3

「ベクトル」の話の続き。 「ベクトル」があるおかげで、「反復元」をおくだけで、読者は自然に「反復先」を連想する。 これは、物語上、作者が用意している「反復先」と違って、別個に読者の中だけに存在しているものである。 だが、一見無意味に思えるこの…

「ベクトル」とは? その2

というわけで「ベクトル」の話。 最初に「ベクトル」の意味を説明しておくと、「物語(その他)の流れ、方向性」。 つまり、物語で言うなら仮のスタート地点である第一話から最終話に至るまでの流れやら、キャラクターの初期状態から最終変化までの流れやら…

今週のSchool Rumble(#242)

ふむ……。 今日は、名前どおりぼんやりしている……。 妙に朝早くおきすぎたのがまずかった。 いつも起きる時間になって、眠たくなるというのはかなりまずいパターンだ。 さてさて。今週のスクラン。 といいたいところだけれど、スクランの分析よりも、「ベクト…

「ベクトル」とは?

「ベクトル」とはいったいどういう意味だろう? はてなダイアリーにはこうある。(2007年9月18日現在)1.[数学]ベクトル,動径,方向量 2.[航空]方向,進路 3.[生物]媒介動物?,保菌生物? 4.大きさと向きを有する量 5.複数のスカラーの集合…

「暗示」とは? その3

結局、「暗示」を、対比・反復のキーワードを使って簡潔にまとめるとどういう意味になるのか? その答えが以下。 「暗示」とは、「反復先」(変化先)を読者の中に連想させる技術である。 別に書いてもいないのに、「反復先」もしくは「変化先」を連想させる…

「暗示」とは? その2

というわけで前回の続き。 「暗示」に関しての創作側の技術。(あくまで創作側なので、「暗示する」の方。読者からの視点だと、「暗示されている」となり分析の技術となる。この分析の技術は、「先読み」の項目を参照してもらえると、よりわかりやすい、はず…

「暗示」ってなに?

創作における「暗示」の技法とは、作中の未来をほのめかしたり、類推させることによって、読者の期待や不安をあおったり、興味をひきつけたりする技術。 あえて端的にいってしまえば、読者を誘導するための心理的な流れをつくる技法。 (創作の視点だから、…

今週のSchool Rumble(#241)

まさかこんな展開になるとは……。 何かしらの形で播磨の参加があると考えてたけど、こんなスーパーアクションをするとは(笑) というわけで、以下雑感。 1.播磨が八雲を助けたのは、 a.沢近への誤爆告白の反復:手だけで顔が見えない。 b.結婚式モデル…

対比・反復の「キーワード化」について。

「暗示」の話をしようかと思ったけれど、その前に忘れていたことがひとつ。 対比・反復の「キーワード化」について。 対比・反復を行うと自然に「キーワード」というものが生まれてしまう。 スクランでいうなら、「お泊り」「雨宿り」「相合傘」「おんぶ(だ…

今週のSchool Rumble(#240)

今回は対比反復からできる面白い分析やら考察やらはあまりない……。 天満→烏丸、沢近→播磨の思いが相似なだけで、あとは目立ったものはない、と思う。 しかし、沢近かわえー。 ものすごく素直になってるよね……。 あくびをしているときの会話なんて、昔の沢近…

対比・反復を使って何が得?

対比・反復は、創作の技法である。 1.相似:AとBは似ている。(同じである) 2.対比:AとBは違っている。 これは、二つのものの状態を説明するのに役立つ。 また、反復させることで、あるものの状態の時間を経過させた上での変化を説明するのに役立…

School Rumble英語版2巻。ならびに、反復・対比構造指摘。

友人がイギリス旅行でSchool Rumble英語版の二巻を買ってきたので見せてもらった。 播磨アイが、 HARIMA LOVE とか書かれていて面白い……。 まあ、確かに愛情が詰まったからこその播磨アイなんだが。 ということで。 ついでに、日本語版二巻も貸してもらって…

スクラン:恋と愛。

恋愛には二つの側面がある。 相手を求める恋。 相手に与える愛。 スクランの登場人物はどちらかに偏っているものも多い。 天満:恋に偏る。あんまり相手のことは考えていない。(あと、播磨、沢近、花井) 八雲:愛に偏る。あんまり自分のことは考えていない…

スクラン:沢近愛理と塚本八雲に課せられた最終タスクの推測。

沢近愛理に課せられた最終タスクは、「自分の手料理を食べてもらえること」じゃないかと推測。 実の父親ににくじゃがを食べさせようとしたのに、宙に浮いたままの行為だし。 播磨に手作りの料理を食べさせるのが、沢近が目標にしている理想状況だとおもう。 …

スクラン:雨宿り、相合傘考。

雨に関してのイベント(雨宿り、相合傘)を思い出せる限りピックアップすると。 <沢近軸> 沢近−周防:天満が、烏丸との相合傘をもくろんでいる回に。 沢近−播磨:父親と会食ができず、雨に降られているところに播磨が傘を差し出す。 沢近−播磨:机の上の落…

今週のSchool Rumble(#239)

というわけで、雑感。 1.一条……。一人身フラグが(笑) 2.奈良を誘ったのは? 3.空太と花井……。最終決戦の予感? 4.歩行祭中、雨が降るのか? 5.歩行祭中、遭難兼お泊りイベント? 6.イノシシ? 7.アンゴラ……。まじでいくのか? 8.烏丸がい…

スクラン:惚れさせたければ「投げれば」いいんじゃない?

スクランのキャラの攻撃手段には特徴がある。 a.打撃技 b.投げ技 c.関節技 などなど。 とりあえず、攻撃することの意味や、戦うことの意味と、それがもたらす影響はおいておいて……。 投げると、相手が感心する、というのが傾向としてあるようだ。 スク…

School Rumbleの「仮面」をめぐるメタの戦いについて。

対比・反復の創作法から説明は、『先読み』をめぐる基本的な説明が終わったから、少しお休み……。 しかし……。 「対比・反復から一応ちゃんとした分析ができるんだよー。だって、対比・反復って作者が『同じ(類似)』と『違う(対比)』とその後の状況(『反…

「構成ヲタ」と対比・反復と「先読み」。

世の中には「構成ヲタ」という人種が存在する。(いや、私が勝手に名づけて、勝手に認定しているだけだけど……。でもぐぐれば結構ひっかかるのね……) 作品を生むにあたって、細かい部分の設定や、先を見越した伏線、キャラ関係の構図やその他もろもろの設定を…

伏線の回収についての分析

「連載もの」と「完結もの」というくくりで、伏線回収の難しさなどを細かく分析しようと思ったけれど……。 もうちょっとまとめてスピードアップをする……。 なので、「連載もの」「完結もの」というくくりは弱くして、伏線回収そのものについての分析を増やす…

「伏線」を、対比・反復から説明するには。

一昨日、「変化」や「サプライズ」を読者に納得させるためには、「伏線」が重要である、と書いた。 では、その「伏線」を対比・反復構図から説明するとどうなるか? はてなダイアリーのキーワードにはこうある(2007年8月23日現在) 「伏線」とは、主に物語…

今週のスクラン

ポイントはー。 もっとよく読めばいっぱい出てきそうだけど、とりあえず簡単に。 1.冴子四人組と天満四人組の対比。 2.最後はみんなで朝日を見るらしい。(相当重要!) 3.烏丸は天満について真剣に考えている……。 4.烏丸は、おそらく播磨を尊敬して…

「先読み」は可能か? 不可能か?

「先読み」は可能か? それとも、「変化」や「サプライズ」がくるから予測はできないのか? という問いに対しての答え。 単純にいえば、対比・反復は、メッセージを作者が正確に置く技術。 だから、できるともいえるし、できないともいえる。 ただ、多くの場…

「変化」における、反復と対比の重要性。

シナリオ後半で「変化」を持ってくるにあたって、それまでにどれだけ反復しているか、どれだけ対比されているかはそのシーンの影響力に直結する。 たとえば、ホラー。 最終的に、両親を犠牲者にすると決めているなら、両親と自分の幸せ状態を描写しておくと…

対比・反復を使って、作者が自分の意図を隠す方法。

…………。 ない。 実は、ない。 もとより、対比・反復は、作者が「メッセージをより的確に述べるための創作法」。 なので、対比・反復「だけ」を使って、作者が自分の意図を隠す方法はない。 もっとも、「対比・反復」を「利用」して、さまざまなメッセージを読…

対比構造からの先読み。ならびに、対比構造の「軸」について。

対比構造からの先読みは、対比の基本構造がわかっていれば簡単。 AとBが対比されているとする。 A→2A→3A B→2B→??? という状況があったら、???の部分を、3Bと予測するのが対比を踏まえた予測法。 ただし……。 以上は、正比例状態の場合。 た…