今週のSchool Rumble(#240)
今回は対比反復からできる面白い分析やら考察やらはあまりない……。
天満→烏丸、沢近→播磨の思いが相似なだけで、あとは目立ったものはない、と思う。
しかし、沢近かわえー。
ものすごく素直になってるよね……。
あくびをしているときの会話なんて、昔の沢近イメージだと考えられなかった。
このままのペースで、2巻で見せた笑顔での買い物シーンが播磨に対してできれば播磨は落とせる!(と思う……。というか、恋人に対してそういう行動ができるかどうかが沢近の目標だろう)
さてさて。
考察が少ない変わりに、小林尽が読者に伝えたいメッセージが、天満の言葉を借りてそのまま出ていた!
スクランの読者ターゲットはおそらく、普通の高校生。
小林尽は、本当に、心から、高校生の読者たちにいい学校生活を送ってほしいと思っている、はず。
青春時代と呼ばれるこの時間に、多くのものを体験し、すばらしい一ページを刻んでほしい。
これは、小林尽だけではなく、多くの大人たち──かつて青春時代をすごしたものたち(それが良いものであれ、後悔するものであれ)──が思っていることだと思う。
こんなブログ、本物の高校生が読んでいるかどうかはわからないけれど、現実に青春している高校生たちに。
大人は君たちが思っているよりも、君たちのことを心配しているんだよ。それがうまく伝わらないだけで(笑)
うまく伝わらない理由は、考えればわかる。
君たちよりもちょっと先に大きくなっただけなのが、いまの大人なんだから(笑)
何年か経って、自分の能力がものすごく上がっていると思う? 性格がよくなっていると思う?(笑)
そうそうは変わらないよ。それは誰でも同じことで。
君たちがうまく自分の感情を伝えられないのと同様、ひねくれてストレートに素直な心がだせないのと同様、大人たちも、うまくコミュニケーションなんてできないんだから……(笑)
みんな、周りの人を大切にしたいと思っているんだよ。
子供や、老人や、家族や、日常や、世界のことも。
でもそれはいつでもうまくいかない。
君たち一人一人で、できることは限られているのと一緒で、大人たちもできることは限られている。そして、人は他人の考えていることがわからないのだから、相手のためを思って行動しても、それがうまく伝わらないことがある。それらの積み重ねでギクシャクしてしまう。
まあ、ともかく、今を精一杯生きること。
スクランに出ているメッセージと同じ。
今、この瞬間は、絶対すばらしいものになるから、がんばって生きること。
いつか、よかったと思える日がくるから。
……さてさて。
それはいいとしてスクランの話。
小林尽の読者ターゲットは、普通の高校生。
これが作品の各所に影響を与えていると思う。
修学旅行がイギリスから、京都に変わったのはそれを考えてのことなんじゃないかと思っていたりする。
だって、普通の高校生、イギリスに修学旅行なんていかないし。
青春時代を共感させるなら、やっぱり京都、ってことに考え直したんじゃないかな?
だとすると、沢近の許婚やその他取り巻きは、構想の中に入っていたと考えることができる。
また、登場するだろうなあ……。
あともうひとつ書いておこう。
スクランでは、高校生たちに素敵な学園生活を送ってほしいというメッセージの作品。
だからこそ、悲恋ENDはなさそうに思える。
小林尽は、キャラクターにとても愛情を注いでいるし、スクールランブルという物語にもものすごい力をいれて書いている。
だから、キャラを悲劇に突き落とすような物語には絶対にしないだろうと思う。
そして、スクランを読んだ高校生たちが、読んでよかったと思える物語にしてくると思う。
ま、小林尽は根はやさしい系の作者だと思う。絶対に。
その気になればホラーとかその他もかけるんだろうけど、基本的にはいい人なんだろうなあ。