2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ベクトルとは? その8 ギャップを大きくするには。

前回で、ベクトルのギャップについて話した。 では、このギャップを大きくするためにはどうすればいいだろう? ある二つのものを対比させた場合、概念的にいうなら、Aを基点としたら、その正反対のものを用意することで、概念上ギャップは最大になる。 善が…

ベクトルとは? その7 「ギャップ(差)の重要性」

物語を作る上で、ギャップ(差)というものはとても大切な概念。 ギャップとは、同じ軸からの大きさや距離のことだが、これはさまざまなところで使われている。 たとえば、物語そのものの大きさ。 それぞれの分野で一番高いところを目指す物語(高校野球なら…

ベクトルとは? その6 「ベクトルの大きさの表現パターン」

ベクトルの大きさについて話をしようと思っていろいろと考えたんだけど、基本的に、作中内ベクトルが定点観測できる例ってほとんどない……。 概念として存在するんだけれど、物語が物語である以上(物を語るのが優先であるため、虚構部分の整合性は軽視される…

今週のSchool Rumble(#243)

ほうほう……。 こんなところでいきなりこんなに濃いのが来るとは(笑) (前回の予想はおおはずれだ……(笑)) とりあえず、スクラン全巻が友人から返ってきたのでやろうと思えば徹底分析もできるんだろうけれど、他にやらなければならないことがいっぱいある…

ベクトルとは? その5

では、「ベクトル」には「大きさ」(強さ)という指標を持つのだろうか?(ベクトルには、大きさと向きを有する量、という意味もある。今までは、向きを話題にしてきたので、今度は大きさの方) 先に答えを書いてしまえば、「統一的な指標は存在しないが、作…

ベクトルとは? その4

物語の構造を考えるとき、ベクトルには、正方向のベクトルと、逆方向のベクトルがあることに気づく。(実際には、そんな単純なものではないのだけれど、話をわかりやすくするために、流れを後押しするベクトル=正方向、流れを邪魔するベクトル=逆方向とし…

「ベクトル」とは? その3

「ベクトル」の話の続き。 「ベクトル」があるおかげで、「反復元」をおくだけで、読者は自然に「反復先」を連想する。 これは、物語上、作者が用意している「反復先」と違って、別個に読者の中だけに存在しているものである。 だが、一見無意味に思えるこの…

「ベクトル」とは? その2

というわけで「ベクトル」の話。 最初に「ベクトル」の意味を説明しておくと、「物語(その他)の流れ、方向性」。 つまり、物語で言うなら仮のスタート地点である第一話から最終話に至るまでの流れやら、キャラクターの初期状態から最終変化までの流れやら…

今週のSchool Rumble(#242)

ふむ……。 今日は、名前どおりぼんやりしている……。 妙に朝早くおきすぎたのがまずかった。 いつも起きる時間になって、眠たくなるというのはかなりまずいパターンだ。 さてさて。今週のスクラン。 といいたいところだけれど、スクランの分析よりも、「ベクト…

「ベクトル」とは?

「ベクトル」とはいったいどういう意味だろう? はてなダイアリーにはこうある。(2007年9月18日現在)1.[数学]ベクトル,動径,方向量 2.[航空]方向,進路 3.[生物]媒介動物?,保菌生物? 4.大きさと向きを有する量 5.複数のスカラーの集合…

「暗示」とは? その3

結局、「暗示」を、対比・反復のキーワードを使って簡潔にまとめるとどういう意味になるのか? その答えが以下。 「暗示」とは、「反復先」(変化先)を読者の中に連想させる技術である。 別に書いてもいないのに、「反復先」もしくは「変化先」を連想させる…

「暗示」とは? その2

というわけで前回の続き。 「暗示」に関しての創作側の技術。(あくまで創作側なので、「暗示する」の方。読者からの視点だと、「暗示されている」となり分析の技術となる。この分析の技術は、「先読み」の項目を参照してもらえると、よりわかりやすい、はず…

「暗示」ってなに?

創作における「暗示」の技法とは、作中の未来をほのめかしたり、類推させることによって、読者の期待や不安をあおったり、興味をひきつけたりする技術。 あえて端的にいってしまえば、読者を誘導するための心理的な流れをつくる技法。 (創作の視点だから、…

今週のSchool Rumble(#241)

まさかこんな展開になるとは……。 何かしらの形で播磨の参加があると考えてたけど、こんなスーパーアクションをするとは(笑) というわけで、以下雑感。 1.播磨が八雲を助けたのは、 a.沢近への誤爆告白の反復:手だけで顔が見えない。 b.結婚式モデル…

対比・反復の「キーワード化」について。

「暗示」の話をしようかと思ったけれど、その前に忘れていたことがひとつ。 対比・反復の「キーワード化」について。 対比・反復を行うと自然に「キーワード」というものが生まれてしまう。 スクランでいうなら、「お泊り」「雨宿り」「相合傘」「おんぶ(だ…

今週のSchool Rumble(#240)

今回は対比反復からできる面白い分析やら考察やらはあまりない……。 天満→烏丸、沢近→播磨の思いが相似なだけで、あとは目立ったものはない、と思う。 しかし、沢近かわえー。 ものすごく素直になってるよね……。 あくびをしているときの会話なんて、昔の沢近…

対比・反復を使って何が得?

対比・反復は、創作の技法である。 1.相似:AとBは似ている。(同じである) 2.対比:AとBは違っている。 これは、二つのものの状態を説明するのに役立つ。 また、反復させることで、あるものの状態の時間を経過させた上での変化を説明するのに役立…

School Rumble英語版2巻。ならびに、反復・対比構造指摘。

友人がイギリス旅行でSchool Rumble英語版の二巻を買ってきたので見せてもらった。 播磨アイが、 HARIMA LOVE とか書かれていて面白い……。 まあ、確かに愛情が詰まったからこその播磨アイなんだが。 ということで。 ついでに、日本語版二巻も貸してもらって…

スクラン:恋と愛。

恋愛には二つの側面がある。 相手を求める恋。 相手に与える愛。 スクランの登場人物はどちらかに偏っているものも多い。 天満:恋に偏る。あんまり相手のことは考えていない。(あと、播磨、沢近、花井) 八雲:愛に偏る。あんまり自分のことは考えていない…