対比構造からの先読み。ならびに、対比構造の「軸」について。
対比構造からの先読みは、対比の基本構造がわかっていれば簡単。
AとBが対比されているとする。
A→2A→3A
B→2B→???
という状況があったら、???の部分を、3Bと予測するのが対比を踏まえた予測法。
ただし……。
以上は、正比例状態の場合。
たとえば、AとBがライバル関係で、直接何かをかけて勝負しているなら、AとB、両方が勝つというわけにはいかない。
Aが勝てばBが負け、Bが勝てばAが負けるという反比例現象が起きる。
(最初、ここの用語に、逆比例、と当てていて、そんな単語ないから……という理由で反比例に直したんだけど……、やっぱり反比例だと意味がすこし違うんだよなあ……。ま、とりあえずは、いいか……)
この反比例現象がおきる原因は、一つしかないものを軸に対比させられた場合なんだけど……。
大体の場合は、この「一つしかないもの」をめぐったおかげで、対比の位置にある。
恋愛もので、三角関係なら、「一人の異性」を巡って対比。
バトルものなら、「勝者」をめぐって対比。
そし、この対比の「軸」にはテーマがある。
軸のテーマは、その対比のストーリーを読む上で重要になる。
ここで、スクールランブルの話。
沢近と八雲の対比の軸は、「播磨」。
同様に、烏丸と播磨の対比の軸は、「天満」。
播磨と花井の対比の軸は、「八雲」。
沢近と八雲の対立の「テーマ」は……。実は不明。
単純に播磨を軸に対比させられているだけで、直接勝負に持ち込めるこれという共通項がない……。(たんに私の分析が甘いだけかも(笑))
烏丸と播磨の対比のテーマは、「天満にとって解るか、解らないか」。
天満にとって、もっとも考えていることが不明な人物が「烏丸」。(制服を着ているが、実は私服で勝負服、とか、「内面」が不明なキャラというのが、いろいろな個所でギャグに混ぜて暗示、暗喩されている)
逆に、もっともわかりやすいのが「播磨」。(何度シンクロしているのか! というくらい感覚が同じ。ただ、誤解も多い……)
ただし……。
「播磨」は素顔を隠しているキャラなので、「烏丸の不明なのは内面」、「播磨の不明なのは外見」という軸に置き換えることができるかもしれない。
とはいえ、結局、天満にとって「わかっていない」ことが「わかるようになる」というのが対比のテーマなので、「烏丸は本心を天満に伝えること」もしくは、「播磨は、素顔をばらすこと」が、天満攻略の鍵になる。
まあ……。烏丸の本心がわかるだなんて……、まさにエンディング間近のイベントだけどね。
播磨と花井の対比のテーマは、「八雲にとって解るか、解らないか」。
八雲の能力で、まったく心が読めない人物が「播磨」。
逆に、心が読めるし、また、考えていることと発言が一緒なので、読めなくても一緒なのが「花井」。
(以上のように、八雲の「能力」を軸に三角関係が対比されている以上、八雲の物語は最終部分で「能力」が強く影響してくるはず)
この構図……、じつは「天満を三角関係の軸にした、烏丸と播磨」の構図と似ていたりだったりする。
まあ、姉妹ということで、キャラの構図も正比例させているんだろうなあ……。
やっぱり小林尽は構成ヲタだ……。
と、まあ、ながながと書いてきたけど、対比構造を読む上では、「何を軸に対比させられているのか」を読むのはかなり重要。その対比させられている軸を中心に、その二人の物語が進むに決まっているんだから(笑)
(たとえば、バトルものを考えればよくわかる。スピードが武器が売りのキャラのライバルキャラとして用意されるのは、基本的にはスピードキャラ。そのキャラの軸がスピードなのだから、作者はそのスピードを生かした展開を考える。結果、最高速を目指す展開となり、より早いほうが勝つ、というわけ(笑) まあ、それだけでは面白くないのでいろいろと工夫をつけてくるんだけれど、バトルものの基本は、対比の軸を見つければ、たいていは勝負の方向性はわかると思う)
明日は……。なんだろ……。
読者側からの先読みをやったから、その対比で、「先を読まれないように作者は何をしてくるか」を書くか(笑)