伏線の回収についての分析
「連載もの」と「完結もの」というくくりで、伏線回収の難しさなどを細かく分析しようと思ったけれど……。
もうちょっとまとめてスピードアップをする……。
なので、「連載もの」「完結もの」というくくりは弱くして、伏線回収そのものについての分析を増やす。
「連載もの」は伏線を回収するのが難しい。
連載途中にさらに面白いアイディアを思いついた場合、シナリオが別方向に進んでしまい、伏線を回収することができにくくなるし、単純に忘れる可能性も多い(笑)。
「完結もの」は伏線を回収するのが簡単。
なぜなら、発表前に見直して、回収されていない伏線部分を削るなり、修正するなり、つなげるなりして、きちんとまとめ上げることができるから。
以上のように、伏線は、その作品を修正する余裕があればあるだけ、回収しやすくなる。
細かくあげると、
1.時間的問題 : 単純に時間があればあるだけ良い。
2.コスト的問題 : 小説なら修正がしやすい。だが、漫画は修正しにくい。(絵を書き直すのは大変)
3.全体像を見れるか否か : 終わりまで見えると、どの伏線を回収していないかがわかる。
4.創作スタイル的問題 : 伏線を回収するか否かの姿勢。伏線など回収しなくても面白ければ良い、と言うスタイルはそれはそれであり(笑)
などなど。
つまり、伏線が張ってあったとしても、作者の都合や特性によって、回収されなくなる場合がある。
だったら、やっぱり伏線(「反復元」「対比元」)を発見しても、「先読み」はできないんじゃないの?
というお話になる。
その通り……。
だけど……、張った伏線はできるだけ回収するのが求められるジャンル(ミステリ、叙述系サプライズもの、など)がある。
また、それとは別に、どのジャンルにも、先に伏線を張っておこうと考えてしまう作家のタイプがいる。
それが「構成ヲタ」といわれる人種。
シナリオやテーマなどに一貫性をもたせるため、細かい設定やストーリー展開、その他イベントやエンディングや演出など、さまざまなものを決めるのが楽しくて仕方がない性格の人たちである。
「構成ヲタ」は伏線を張っておくのが大好きで、将来用意しているイベントにつながるものをさまざまな形で仕込んでおく。
この「構成ヲタ」ならば、性格的にも、能力的にも、張った伏線をできるだけ回収しようと心がける。
なので、「構成ヲタ」の作品ならば(大前提!)、「先読み」ができる可能性は高い。
というところで時間切れ。
明日は、「構成ヲタ」に関して深く掘り下げてみる予定。