今週のSchool Rumble(#275)
今回も解説いらないなあ……。(実は、前回、前々回と、本当は書いておいた方がいいことがあったんだけど、書き忘れが何個かあったから、「今回も」というのはおかしいんだけど……)
ともあれ、今週のスクラン。
【1】 天満の決意。
ベクトルという創作概念からすると、その初期設定と最終位置の差に読者は感動することになる。
英語も数学もできない。
なのに、烏丸のためにすべてを投げ出し、医者を志望する。
実にすばらしい落とし方。
(ナース姿の天満はここらにつなげる遊びの伏線だったっぽい……。本当に、構成を最後まで考えていた作者による、お遊びの部分なんだろうなあ……)
【2】 天満と烏丸が見上げる山。(景色の共有)
高く聳え立つ山。
それは、烏丸と天満が待ち受ける前途を暗示しているのかもしれない。
だが、それは険しくなく、むしろ美しく荘厳なもの。
漫画や映画において、景色は心象をあらわすことが多いんだけど、これはそこらにかかわる技法だと思う。
(主人公が憂鬱なときには天気は曇る! なきたい時には雨が降るのさ!)
【3】 烏丸が描いた天満の絵は笑顔。
これも初期にあったんだけど、烏丸は一度天満の顔を描き、歌舞伎っぽいイラストに仕上げている。
あれの……対比?(笑)
対比なの?(笑)
対比なんだろうけど、これも、最後を考えておいた作者による、遊びの部分なんだろうなあ……。
ともあれ、対比構造抜きで普通に解釈をすると、当時、天満を歌舞伎っぽく描いたのは天満に嫌われるため。(気がないように思わせるため)
なんだけど……。
嫌われたいと思ってそんなことをするくらいなら、手紙をもらった時点悩まず、転校したらよかったんじゃないの……と言いたくもなるが、まあ、それくらい烏丸は悩んだりゆれていた、と解釈するのがいいのかも。
【4】 同じベッドで寝る烏丸と天満。
これも、ちょこっとくり返されているモチーフ。
同じ布団というくくりなら、播磨と八雲(と花井)、播磨と沢近、播磨と天満と八雲(と……誰だっけ……「ム……」の人……)がクリアしている。
単発で読むなら、今回はすごく綺麗なお話でした。