今週のSchool Rumble(#252)

 という訳で雑感。
 
 
【1】 花井と美琴、シンクロしとるねー。
 
 スクランにおいてシンクロは重要な要素なんだけど、今回の美琴と花井はシンクロしまくり……。(※1)
 
 同じ反応(行動)をする = 二人は同じ事を考えている! = 価値観を共有できている証拠 = 二人はお似合い。
 
 ということのようだ。
 まあ、たしかに、現実問題、夫婦となるなら、価値観をある程度共有していないと駄目だからなー。
 
 恋人だけなら、価値観が違っている方が刺激があって良いんだけどね……。
 で、それを踏まえずに恋人タイプの人を熱愛して、そのまま結婚しちゃうと、最終的には大変なことになりやすい(笑)
 なりやすいっつーだけで、なるって訳じゃないからね……。
 
 
【2】 シンクロしまくりなのに、好きすぎて、ずれた……。
 
 あれだけシンクロしていた割には、最後の最後でお互いの本心は理解せず、各自の覚悟を決めるところで終わっている。
 
 美琴は、「ここまで支えて貰った花井にならお芝居でキスをあげても構わない」、と。
 花井は、「折角のキスを記憶喪失を戻すお芝居で終わらせるのはもったいない」、と。
 
 「相手のことを好きで、だからこそ結果としてずれた」という面白い形。
 
 相手の事を好きなだけではシンクロしないのね……。(※2)
 それが恋というものなんだよなー。
 
 ちなみに、最初にシンクロにさせまくっているから、最後のシンクロ不成立(ずれ)が構図として浮き上がるという構成にしているっぽい。
 いや、助走が短いから解りづらいんだけど、これも『ベクトル』の応用の基礎で、A→A→Bなら、Bが目立つという奴。
 
 
【3】 美コちゃん
 
 最初からずーっと美コちゃんだな……。
 花井の認識が、幼い頃、美琴に憧れていたあの時代に戻っているんだろう。
 
 
【4】 まあ、ともかく……。 
 
 この二人には幸せになってほしいねえ……。
 
 
【5】 スクランにおけるキスの意味
 
 『キス』は、シンクロ成立の最終形態として用意されている可能性が高い。
 今回、花井と美琴は不成立だったけれど、
 
 お互いが相手を好きだからこそ、同じ時間、同じ場所で、同じ思いをして、同じ行動をとって初めて成立するもの=完全にシンクロして可能なもの=『互いが望んだ相手の唇へのキス』
 
 なのだろう。
 
 スクランにおいては、シンクロ状態でのキスは、恋愛の成就イベントなんだろうね。(※2)
 
 
【6】 それを踏まえると……。
 
 播磨がアリクイの口になって、八雲のキスをかわしたのは作者にとっても「もったいない」と判断されていた可能性も高いんだよなあ……。
 
 そう言う視点で振り返ると、よく考えられてるなあ……と思う。
 キス未遂テーマを連続で書いているということだしね。
 
 なら、次のカップルもキステーマなのかな?
 おおう……、反復によるテーマ予測だ……(笑)
 
 
(※1)
 ちなみに、リクィド・ファイアのデータベースの用語の使い方とは少し違う。
 私の場合、同時性があるもののみをシンクロ。同じ行動を別の時間や場所でしている場合、それは相似とよんでいる。
 
(※2)
 作中で唯一キスを成立させた梅津と円は、シンクロ状態でのキスじゃないから梅津が迷いまくっている……。