で、そもそも、反復・対比って何で使われるの?

 答えは簡単。
 創作の基礎技術だから。
 幅広く応用が利き、「同じこと」と「違うこと」を明確に分けることで、読者へのメッセージを明確にできるから。
 
  
 反復・対比をすることで、得られるのは、
 
 1.同じことを同じと説明できる。
 2.違うことを違うと説明できる。
 
 の二つが基本。
 あたりまえすぎるメッセージだけれど、基礎がしっかりするおかげで、応用でいろいろなことができる。(これは折を見てそのときに解説)
 
 たったこれだけのことだが、この基礎技術を使いこなすことで、作品からのメッセージが安定する。
  
 
 まずは1の、同じことを説明できる、というのはどういうことか?
 
 たとえば、作者が、AとBのキャラが似ているというメッセージを、読者に与えたいと思った時にはどうするか?
 直接、台詞で「AくんとBくんは似たもの同士だね!」と言わせるのもありだろう。
 
 だけど、同じ状況で「同じ」リアクションをとらせるのもあり。
 
 また、逆に、違うことをさせてきたのに、「同じ」結果になる、なんてのも反復。(これにより、そのキャラが何をしようとも、結末は一緒だと、読者に連想させることができる)
 
 これが同じことを反復させてできる説明法の基本。
 
 作中のさまざまな事柄を反復させることで、シナリオが綺麗に織りあがり、メッセージが明確になる。
 
 
 次に2の、違うことを説明できる、というのはどういうことか?
  
 先と同様に、同じ状況で「違う」リアクションをとらせたり、「違う」結果を用意すればいい。
 これが対比させてできる説明法。
 
 作中のさまざまな事柄を対比させることで、シナリオにメリハリがつき、メッセージのバリエーションが増える。
 
 
 同じだから同じ。
 違うから違う。
 
 それを表現として行ったのが、意識的に行ったのが対比と反復である。(でも、創作をしている人! 「反復・対比構造」なんて名前はどうでもいいとして、この技術を意識して使えてます? また漫画を読んでいる人! リアクションが同じだからこのキャラ二人には同じ部分がある、と思って読めてます? 正直、あんまり意識していない人が多いような気がします……)
 
 で。
 この「同じ」と「違う」を使った応用はどうするのか?
 シナリオやキャラ造詣、メタメッセージでの技術には何があるのか?
 
 というのがこのブログで語りたい一番の内容なんだけど……。
 (というか、自分なりに、反復・対比での創作技術をまとまようとしたのがこのブログの発端)
 
 全部語ろうとすると大変だなあ……。
 ま、時間をかけて、ゆっくりやろう……。
 
  
 ちなみに、この反復・対比はほとんどの場合、セットで登場する。
 
 なぜ?
 
 「AとCが違う」ことを、AとCを対比させて説明するには、別のどこかに、「Aと何かが同じ」である、という反復の説明があったほうがわかりやすいから。
 
 つまり……。
 単純に、「AとC」の行動を描いただけでは、「AとC」は違う、というメッセージは読み取りにくい。
 そこで、別の場所に、「AとB」の行動が同じ、という反復によるメッセージを入れておく。
 そうしておけば、「AとB」は同じ行動をとったのに、「C」は違う行動をとったのだから、「AやB」と「C」は違うという対比からのメッセージが生まれる。
 
 「同じ」ことを説明するためには、どこかで「違う」何かを説明たほうがいい。
 「違う」ことを説明するには、どこかで「同じ」何かを説明したほうがいい。
 
 簡単にいえば、こういうこと。
 
 
 以上、反復と対比の基礎。
 これを踏まえてくれるとこのブログの内容がわかりやすくなる……と思う。
 
 (しかし、この日記……何度書き直したことか……。ここがわかりにくいと大変だもんね……)